マンションの玄関ドアのリフォーム方法
大規模修繕工事でマンションの玄関ドアをリフォームする場合、どのような方法があるのでしょうか?
玄関ドアのリフォームでは、ドアそのものを交換する方法と、塗装などによって見た目をリフォームする方法があり、工法によって施工期間や施工費用などが変わってきます。
まず、ドアそのものを交換する方法についてですが、既存のドア枠に新規のドア枠を被せ、新しい扉を設置する方法が一般的です。
この工法はカバー工法と言い、施工費用の相場は1戸あたり約20万円、工事期間は約2時間、20戸の場合は約350万円、工期については約1週間が目安となります。
ドアを交換する場合、ドアのみを新しいものに交換する方法もあり、こちらは費用が1戸あたり約15万円、時間は約90分、20戸の場合なら約250万円、工期は約1週間が目安です。
塗装によるリフォームの場合は、まず各部屋のドアを洗浄し、ドアノブやドアスコープをマスキング、その後下地塗装を行い、本塗装とトップコートを実施します。
施工期間は洗浄やマスキング、塗装の乾燥待ちなどを含めて約10日、施工価格は扉一枚あたり約8万円、20戸の場合は費用が約130万円、施工期間は約2週間が相場です。
その他のリフォーム方法では、塩化ビニル製のシートを扉表面に貼り付ける工法もあり、こちらは20戸に施工した場合の施工時間は約1週間、費用は約50万円が相場となります。
玄関ドアのリフォーム方法はどうやって選ぶと良いのか?
マンションの大規模修繕で玄関ドアをリフォームする場合、どの工法を選ぶと良いのでしょうか?
リフォームの目的別におすすめの工法をご紹介します。
玄関ドアの見た目のみをリフォームしたいという場合には、塗装やシートの貼り付けによるリフォームがおすすめです。
この工法なら費用を比較的安価に抑えることができますし、扉を交換する必要がないため、交換後の鍵を配布する手間も省くことができます。
防犯性や断熱性を向上させたいという場合には、ドアの交換がおすすめです。
防犯性のみを高める目的なら、ドアのみを交換し、ディンプルキーやカードキーに対応したものを使用すると良いでしょう。
断熱性の向上については、ドア枠部分も断熱性に関わる重要なポイントですので、カバー工法などを用いてドア枠までまとめて交換することをおすすめします。
工法によって大規模修繕にかかる費用や施工期間が大きく変わるため、修繕を行う際にはあらかじめどの工法が良いか、目的に合わせて十分に協議しておきましょう。
玄関ドアの補修にかかる費用について
玄関ドアは毎日利用されるもののため、長期間の利用によりへこみや傷、塗膜の剥がれなどが起こります。
このような破損部位の修繕を行う場合、費用や工法、施工期間はどうなるのでしょうか?
まず、へこみの補修についてですが、この場合はへこみ部分の塗装を除去し、金属部分にパテを盛り付け、表面を整えてから塗装を施します。
施工時間はへこみの数や深さにもよりますが片面で約2万円が相場です。
傷や錆については塗装を落とし、該当部位を研磨して下地を整え、後は塗装を施していきます。
費用については塗装と同じく20戸で約130万円が相場、施工期間は約10日間です。
大規模修繕で全ての部屋のドアをリフォームする場合には、各部屋のドアの傷み具合を調査し、塗装や修繕の方が良いか、ドアの交換を行った方が良いか管理組合で協議を行ってから選択すると良いでしょう。
もし、管理会社に修繕作業を全て任せた場合、自社に関係する施工業者に見積もりを依頼するため、どうしても施工費用が高くなりがちです。
管理組合で独自に施工業者を探し、見積もりを依頼することで管理会社に任せる場合に比べて費用を大幅に抑えることができるでしょう。
悪質!管理会社が提出する各工事会社の相見積もり資料は注意が必要!
最近では管理会社が複数社に見積もり依頼をして、A社,B社,C社,D社というような形で横並びで見積もり金額を資料として出してくることがあります。
しかし、実際に全ての会社に見積もり依頼をしているかは不明瞭であり、一番安い見積もり金額の会社は管理会社と繋がっていることがほとんどで、その会社に誘導するための資料となっています。
誠に残念ですが、管理会社はこのように不誠実なことを平気で行うので工事会社の選定は必ず、管理組合が直接工事会社に問い合わせをし、見積もりをお願いしてください。専門家による現地調査・見積もりの提出は、ほとんどの工事会社が無料で行ってくれます。
ご自身のマンションの地域に対応している評判の良い工事会社を無料で紹介することも可能ですので、お気軽に下記お問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
玄関ドアを区分所有者がリフォームすることはできる?
汚れや傷、破損によって玄関ドアをリフォームしたい場合、区分所有者が施工を行うことはできるのでしょうか?
マンションの玄関ドアは共有部分のため、基本的には管理組合または管理会社による補修を行う必要があります。
ですが、共有部分である玄関ドアでも、内部の塗装については工事が可能な場合もあるため、もし問い合わせがあった場合には、管理規約等を確認して返答すると良いでしょう。
また、区分所有者の過失などによって玄関ドアが破損した場合には、内側が専有部分で外側が共有部分となるため、工事費を折半するのが一般的なようです。
ただ、この点については管理規約で変わることが多いようですので、問い合わせがあった場合にはまず管理規約を確認しましょう。
玄関ドアのリフォームで注意することは?
大規模修繕工事で玄関ドアをリフォームする場合、管理組合ではどのような点に注意する必要があるのでしょうか?
塗装によるリフォームを行う場合には、臭いの問題や施工期間中の塗料による汚れについて気をつけておく必要があります。
臭いについては水性塗料を用いればある程度抑えることができますが、塗料の付着については塗装部分を触れないよう周知しておく必要がありますので、管理組合または管理会社から入居者に告知しておきましょう。
ドアの交換工事については、鍵の取り扱いについて注意が必要です。
特に防犯性を高めるために鍵の種別そのものを変える場合、鍵の受け渡しを行わなければいけないため、施工と同時に鍵を渡したり、管理会社が各部屋を訪問して前もって鍵を渡しておいたりといった対処が必要となります。
また、留守中に工事を行った場合、入居者が鍵を忘れて自宅に入れないといったトラブルが起こる可能性も考えられますので、管理会社によるトラブル対応や、管理人による対応についても施工前に協議しておきましょう。