ビルメンテナンスで委託するべき業務、単価と料金相場とは?

ビルメンテナンスにおける業務の種類

ビルオーナーの方々は、ビルを運営するにあたって様々な管理業務を実施する必要があります。

具体的には、メンテナンスや警備をはじめ、定期的な設備の点検等が挙げられます。

小規模なビルであれば自分で行うことも可能ですが、費用対効果を考えてほとんどのビルオーナーがビルメンテナンス会社に管理業務を委託しています。

ビルメンテナンス業務は、利用者の安全や快適さを実現することにつながることはもちろん、ビルの資産価値を維持するために必要です。

業務内容を理解し、信頼できる会社に任せましょう。まずは、業務の種類を順番に解説します。

清掃管理業務

ビルの清掃というと床や壁、窓の清掃をイメージしますが、それだけではありません。エントランスや共用部においては清掃が難しい立体的な什器や備品の清掃も行います。

これらの箇所に使用されている素材はそれぞれ異なるため、各特徴に適した方法で清掃を行う必要があります。

場所によって、日常清掃、定期清掃、特別清掃など異なった頻度で実施します。

2006年からは国家資格であるビルクリーニング技能士試験が開始されました。専門的な技術が必要な業務として考えるべきことがお判りいただけると思います。

近年は、汚れた後に清掃を行う事後清掃よりも、汚れを事前に防ぐための予防清掃が重視されています。

生活を保つための工夫や、水や洗剤を使用しないスプレーバッフィングやドライバッフィングを行うことでビルを常に綺麗な景観に保つことができます。

設備管理業務

電気、給排水、空調、機械といった設備について、技術者が定期的に運転、監視、点検、整備を行う業務です。

こうした設備の故障や不具合は、利用者の安全性や利便性に大きな影響を及ぼします。常に安心して運営が行えるように信頼ある技術者に任せたい業務です。

設備管理業務には、技術者が常駐する常駐管理方式、技術者が定期的に巡回する定期管理方式があります。

ボイラー技士、電気主任技術者、ビル設備管理技能士、建物環境衛生管理技術者といった資格保持者が担当しなければならない点検もあります。

警備業務

警備業務においては、事故や盗難を防止し、利用者が安心して過ごせる環境を目指します。

近年は、防犯設備の機械化が進んでおり、警備員による人的警備とシステム機械警備の連携が重視されています。

警備員が常駐するケースは少なくなっており、システム機械警備による監視を行いつつ問題があれば対応することが多いです。

質の良い警備員を確保しているだけではなく、監視システムなど警備機器の専門知識を持った業者に依頼しましょう。

衛生管理業務

ビル管理法に基づいて衛生的に適切な環境が維持されているか点検し、問題があれば改善する業務です。

水質調査では、細菌や各種金属など有害物質の混入、味、匂い、色、にごりなどが水質基準に違反していないか調べます。

空気環境測定では、浮遊粉塵の量、一酸化炭素、二酸化炭素、温度、相対湿度といった項目を測定します。

このほか、貯水槽、排水槽の水質検査、給水管の洗浄、排水管の点検、害虫駆除を行い、健康かつ快適な環境の実現を目指します。

法定業務

ビルの運営においては、ビル管理法を始めとした関連法令に遵守した点検を行い、官庁に報告を行う必要があります。

具体的には、消防及び防火設備の点検、建物設備定期報告などです。

こうした法定業務を行わないと、ペナルティーが課せられることもあります。

過去には、こうした法定業務の虚偽報告を行っていた建物において火災による死傷者が出たため、刑事罰に問われたこともあります。

駐車場管理業務

近年は、システムによる入出庫管理を行う無人駐車場が増えています。こうしたシステムでは、トラブルが発生した時のみ最寄りの事業所から人的対応が行われます。

防犯、録画、機器制御など、適材適所システムを取り入れる業者を選ぶことで、安全性を確保しつつ経費を削減できることができます。

安全な走行を促す表示も、もしもの事故を防止することにつながります。

その他の業務

そのほか、資産価値を守るためのサポートを行ってくれることもあります。

まずは簡単な修繕業務です。

サッシやシャッターの修理、カーペットの張替えなどを行い、快適な環境を整えてくれます。

また植木があるビルにおいては、草刈りや剪定、除草作業、害虫の発生を防ぐための消毒も行ってくれることがあります。

ビルメンテナンスで行うのは「建物の管理」

ここまで解説してきたように、ビルメンテナンスで行うのは「建物の管理」です。

このほか、ビルの運営をサポートする以下のようなサービスが挙げられますので、それぞれ簡単に解説します。一つの会社に複数のサービスを依頼できることもあります。

  • BM(ビルマネジメント)
  • PM(プロパティマネジメント)
  • FM(ファシリティマネジメント)

BM(ビルマネジメント)は、ビルのメンテナンス業務に加えて、官庁への書類の提出、修繕の依頼、建築物の管理や運営まで総合的に請け負うサービスを指すことが多いです。

PM(プロパティマネジメント)は、入居者の募集や契約、クレーム対応、家賃滞納者への催促など「人の管理」を行います。

FM(ファシリティマネジメント)は、「資産としての管理」を行うことで、資産である建築物をどのように運営して収益を上げるべきか長期的な計画を立てつつ実行していきます。

なお、これらの用語の定義は、会社ごとに異なりますので目安としてご理解ください。

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1つとして同じビルはないからこそ、ビルオーナーはそれぞれのビルに合った運用方法、管理方法を考える必要があります。

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ビルメンテナンスの単価と料金相場

ビルメンテナンスの料金は、大規模になるほど床面積あたりの単価は高くなります。

代表的な項目について単価をご紹介します。

清掃管理業務の単価

一般清掃の単価は以下の通りです。

  • 床の表面洗浄:150〜300円
  • ガラス清掃:200円
  • 外壁清掃:700円

退去清掃の単価は以下の通りです。

  • 1R、1DK:24,000円
  • 1LDK〜3LDK:50,000〜70,000円

設備清掃の単価は以下の通りです。

  • エアコン清掃:25,000円
  • 配管清掃:6,000〜10,000円

設備管理業務

機械設備の点検は、1ヶ月1回あたり1万円ほどです。

衛生管理業務の単価

衛生管理業務における貯水清掃、排水清掃の単価は以下の通りです。

  • 貯水槽清掃1トン当たり:3,000円
  • 排水管清掃1回当たり:100,000円

法定業務の単価

エレベーターの点検、監視は、1ヶ月あたり20,000〜40,000円ほどです。

年2回行う消防設備点検の単価は以下の通りです。

  • 有効面積1,000㎡以下:6万円以下
  • 有効面積1,000〜2,000㎡:6〜8万円
  • 有効面積2,000㎡以上:8万円以上

駐車場管理業務の単価

駐車場管理業務では、人件費1日あたり1.5万円ほどかかります。

ビルメンテナンス業務における大手と中小の違い

会社の規模によってサービスの良し悪しが決まるわけではないものの、大手と中小にはそれぞれサービスに傾向があります。

管理会社の規模ごとに、サービスのおよその特徴をまとめました。

大手ビル管理会社

大手ビル管理会社は、10,000㎡の大規模オフィスビルの対応を得意としています。

外注業者を統括して業務に当たるため、ちょっとした問題の発生も含めて全ての対応をお任せできます。

外注業者によって技術や対応の親切さに差が出ることもあります。

中規模ビル管理会社

自社でスタッフを抱えて業務を行っている中規模ビル管理会社だと、大手よりも広さ単位あたりで安くなることが多いです。

自社スタッフなので、コミュニケーションの齟齬が生じづらいという利点もあります。

小規模ビル管理会社

個人事業主としてビルメンテナンスを行っている場合もあります。

こうした小規模事業者では、ビルの規模や設備を踏まえてくれるので割安な価格設定があり、小規模だからこそ柔軟な対応を行ってくれます。

ビルメンテナンス会社を選ぶポイント

ビルメンテナンスを任せる会社とは長期的にお付き合いすることになるからこそ、慎重に選びたいものです。

会社を選ぶ際のポイントをまとめました。

連絡はスムーズにできるか

ビルメンテナンスの業務は多岐にわたるので、最初の数年は戸惑うことも多いと思います。

作業の日程調整やトラブル発生、支払いの確認などで事務的な連絡をする機会があります。

そのため、いつも同じ担当者につなげてもらえるかなど、円滑にやりとりができるのかといった点を重視しましょう。

業務ごとの連携は取れているか

清掃、設備管理、警備といった業務は、全て自社で行っているか1社に委託していることが理想です。

日程の調整や相互の連携をスムーズに行ってもらえます。

同規模、同用途のビルにおける実績が豊富か

ビルメンテナンスの分野においては、システム化が進んでいるものの、まだまだ多くの業務でマンパワーが必要とされます。

そこで頼るべきなのは、現場の方々の高い技術力と提案力です。

そのため、同規模、同用途のビルを多く請け負っているのか実績を確認し、あなたが所有しているビルのマネジメントに関する知見や技術を十分に持っているか判断しましょう。

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